フィーリングがソフトになって一貫性がアップ!
NEW スタジオスタイルのスタジオカーボンスチール(SCS) フェースインサート

多くのツアープレーヤーが理想とするカーボンスチールならではの打感・打音にこだわって誕生したNEW スコッティ・キャメロン「スタジオスタイル」パター。今回はその最も大きな革新といえるスタジオカーボンスチール(SCS) フェースインサートについて詳しくご紹介します。解説はスコッティ・キャメロン R&Dシニアディレクターのオースティ・ローリンソンが務めます。
1990年代中盤、スコッティ・キャメロン パターがタイトリストの基幹プロダクトとしてデビューした時、パターヘッドはカーボンスチールのインゴットから機械加工で削り出されたものでした。「ニューポート」「ニューポート2」など、スコッティ・キャメロンのブレードタイプとプレミアムなステンレスからボディとネックを削り出されるスタイルでお馴染みですが、そのスタートはカーボンスチールだったのです。

「スコッティ・キャメロン パターのヘッド材料がカーボンスチールからステンレスへと移行していった背景には、カーボンスチールが錆びやすい素材であったことが大きいと思います。初期のキャメロンパターはカーボンスチールでヘッドを削り出し、メッキなどは施さず、ガンブルー(酸化被膜材)などでなるべく錆が出ないように保護した状態で販売されていました。しかし、いくら防錆処理をしてあっても雨の中で使用したりすればどうしても錆が出てしまいます。カーボンスチール無垢のヘッドは打感・打音に優れていたものの、メンテナンスの難しい素材であったのです。スコッティ(マスタークラフトマン)は、メンテナンスのしやすさを考慮し、カーボンスチールからステンレススチールへと移行。フェースやトップブレード、あるいはフランジの厚み、そしてフェースのミーリング(深さ・間隔・ボールに接触する面積)でプレーヤーが好む打感・打音にチューニングする取り組みを始めたのです」(ローリンソン)
スコッティ・キャメロンがデザインしたステンレスのブレードパターは、ご存知の通り、ここまでに多くのプレーヤーを勝利へと導き、記憶に残る栄光の瞬間を生み出しています。では、なぜ今このタイミングで再び「カーボンスチール」を採用することにしたのでしょうか?
「メンテナンスの問題から量産モデルとしては随分長くカーボンスチールのパターを提供していませんでしたが、我々はカーボンスチールの打感・打音に対するプレーヤーの評価の高さを十分に理解しています。そして実際、カーボンスチールを採用したパターヘッドの開発を長く続けてきたのです。そこで確立されていったのがスタジオスタイルで採用したステンレスボディのフェース部に、カーボンスチールをインサートする方法でした。インサート方式にした理由の一つはフェースに特殊なコーティングを施し、防錆効果を高めることができるということ。二つ目がフェース裏やインサート周りに振動吸収層を設けることで、振動抑制性が異なるステンレスとカーボンスチールの差を埋めることができるということ。そして最も大きいことがフェースにより精密に複雑なテクスチャーを施すことが可能になるということです」(ローリンソン)
フェースのテクスチャーとは、精巧にデザインされた模様のようなパターンであり、ミーリングの際にフェースに残るドリルの掘削跡のことになります。パッティングにおける打音や打感は、打球面のテクスチャー次第で精密にコントロールすることができるのです。
「まず、振動抑制効果が高いカーボンスチールを採用したことで従来よりも音の響きが短く、それだけでソフトな打音・打感に近づけることができます。そしてさらに打球面(インサート)にチェーンリンク フェースミーリング テクノロジーを採用することで、フェースがボールに接触する表面積を約50%削減することに成功。この結果、インパクト音がより静かに、よりソフトな打感として感じられるようになっているのです」(ローリンソン)
スコッティ・キャメロンは、これまでステンレスのパターヘッドにミッドミルド、ディープミルド、デュアルミルドなど、様々なミーリングパターンを取り入れ、自在にフィーリングをコントロールしてきましたが、チェーンリンク フェースミーリング テクノロジーもその長年の経験から生み出された独自のフェースデザインとなります。

「チェーンリンク ミーリング テクノロジーによって、ディープミルドの最高の打感が広い打球エリアで実現できるようになりました。多少ミスヒットしても打球音の変化が少なく、一貫性ある心地よいフィーリングでタッチを合わせることができるのです」(ローリンソン)
ゴルフボールの開発も日進月歩であり、ボールの変化によってパッティングでのフィーリングが変わってくる可能性が十分にある、とローリンソンは語ります。ツアープレーヤーがよりソフトな打感をパターに求める背景には様々な要因があり、スコッティ・キャメロンのR&Dチームは常に止まることなく、プレーヤーニーズに的確に応えるための研究・開発を行っているのです。